筑波大学の二次試験、数学の得点は250点中225点でした。それでも不合格でした。差は8点です。
足りなかったのは英語です。そして英語は、私が意図的に捨てた科目でした。
合格体験記の多くは「これをやったら受かった」と書きます。この記事は逆です。何をやり、何を捨て、その判断がどう当たってどう外れたかの記録です。数学は完全に武器になりました。同じやり方で捨てた英語が、第一志望を持っていきました。
結果
| 早稲田大学 人間情報学部 | 合格 |
|---|---|
| 東京理科大学 先進工学部 | 合格(進学) |
| 芝浦工業大学 建築学部 | 合格(共通テスト利用) |
| 筑波大学 心理学科 | 不合格(8点差) |
点数はこうです。
| 筑波大 二次・数学 | 225 / 250 |
|---|---|
| 共通テスト 物理 | 97点 |
| 共通テスト 数学II・B | 90点 |
| 共通テスト 数学I・A | 80点 |
第一志望は筑波大の心理学科でした。人の心の仕組み、特に精神疾患の研究をしたかったからです。理由は自分の中にありました。現役のときは体調を崩して、ほとんど受験できていません。
現役のときにやっていた、いちばん無駄だったこと
背伸びした数学の勉強です。
難しい問題集に手を出していました。解けない問題を時間をかけて考え、解説を読んで「わかった」と思い、次に進む。手応えはありました。勉強している感覚が一番あるのはこのやり方です。
でも身についていませんでした。基礎が固まっていない状態で応用問題を解くと、解けたか解けなかったかしか残りません。なぜその一手が出てくるのかが分からないので、次の問題に転用できない。毎回はじめての問題として向き合うことになります。
いま振り返ると、あの時間はほとんど貯金になっていませんでした。
浪人で変えたのは、一点だけ
基礎を徹底することに全部を寄せました。
使ったのは『1対1対応の演習』です。新しい問題集を増やさず、これを3周しました。3周というのは「3回解いた」ではなく、解法が反射で出てくるまでという意味です。2周目で手が止まる問題を潰し、3周目で確認する。それが終わってから『最高の演習』に進みました。
物理は中野喜允さんの参考書を使いました。こちらも基本的に同じ進め方です。
結果として、受験本番で数学に苦労することは一度もありませんでした。共通テストで80点・90点、筑波の二次で225点というのは、才能の話ではありません。基礎の反復に振り分けた時間が、そのまま出ただけです。
これが「最短距離」の中身です。やることを増やしたのではなく、減らして深くした。
捨てたもの
時間は有限なので、基礎に全振りするということは、どこかを削るということです。私が削ったのはこの3つです。
- 共通テストの国語
- 二次試験の英語
- 英語の文法
国語を切った判断は、いまでも間違っていなかったと思います。理系の配点の中で、投資に対して返ってくるものが小さい科目でした。
英語は違いました。
やっていたのは英文の音読だけです。読む力はそれである程度つきました。ただ、二次試験で戦える水準には届いていませんでした。
そして筑波大には8点差で落ちました。数学で25点しか落としていないのに、です。
あと8点をどこで取れたかと考えると、英語しかありません。数学はもう上がりしろがほとんどありませんでした。私が失敗したのは勉強のやり方ではなく、どこに時間を配るかの設計です。
もう一つ苦労したこと
モチベーションの維持です。ここが一番きつかった。
勉強時間はこう推移しました。
| 4〜5月 | 1日5時間 |
|---|---|
| 6〜10月 | 中弛み |
| 11月〜 | 1日5時間 |
真ん中が空いています。5か月です。
浪人生活のうち、まともに動けていたのは前半と後半だけでした。中弛みの時期に何が起きていたかというと、特別なことは何もありません。やることが決まっていない日が続くと、人は動けなくなります。気合いの問題ではなく、その日に何をするかが空白だと、埋めるのが億劫になる。それが積み重なります。
もしあの5か月を半分でも動けていたら、英語に手が回っていたかもしれません。
いま高校生に戻れたら、こうします
- 背伸びをやめる。難しい問題集を1周するより、標準的な問題集を3周したほうが点になります。手応えは前者のほうがありますが、点は後者にしか出ません
- 捨てる科目は決める。ただし配点を見てから決める。私は「苦手だから」で英語を捨てました。決めるべきは好き嫌いではなく、その科目が第一志望の合否にどれだけ効くかです
- 今日やることを、前の日に決めておく。中弛みは意志の弱さではなく、空白から始まります
この記事を書いた理由
私はいま、学習計画づくりと質問対応を仕事にしています。授業はしません。何をやり、何を捨てるかを一緒に決めて、毎週それを直していくという仕事です。
なぜそれを売っているのかというと、自分がそこで成功と失敗の両方をしたからです。基礎に全振りした判断は当たりました。英語を捨てた判断は外れました。差がついたのは勉強量ではなく、配分の設計です。
合格実績はまだありません。持っているのは自分自身のこの経験と、実際に動くドリルです。数学I・II・III の45単元を自分で作りました。解答すると、どのパターンの間違いをしたかを判定します。私が「間違い方」をどう見ているかは、それを触ってもらうのが一番早いと思います。
この記事に書いた点数と結果は、すべて私自身のものです。他人の事例や、一般論としての数字は含んでいません。